2010年12月29日水曜日

こうすれば英語が話せる

と、昨今の英語教育の広告に負けずに、大げさなタイトルで、書き出してみます(笑)

前回の投稿で、英語あるあるを書きました。それで終わってしまっては、改善がないので、今回は、来年に向けての英語勉強法について書いてみます。タイトルと違って、どれだけ効果があるかはわかりませんが、労力や時間をあまりとられない方法なので、継続してやってみようと思います。

1)ケース音読

音読は、語学習得にかなりの効果があると言われています。日本語を勉強するときも、小学校では何百回と国語の教科書を音読しました。これにより、正しい日本語が体に染みついたのだと思います。だから、きっと英語も同じじゃないかなあと思うのです。

毎日、30~50ページほどのケースを読むのですが、最低5ページは誰かに読み聞かせるように音読しようと思います。しかも、大きな声で。そうすれば、目と耳と口の3つの練習になります。特に、歯磨きをした後、音読するといいらしいです。(中学校の1年生の時、英語の先生が言っていました。根拠はないみたいですが、信じてます。)

2)クラスメートに発音を直してもらう

BCAPのチームメートに、よく発音を直されます。くやしいけど、とっても嬉しいことです。相手も誠意をもって注意してくれていると思うとなおさらです。

和製英語が骨格に染みついた私には、この発音強制は苦しいです。しかし、よい機会なので、幼稚園児になったつもりで、アメリカ人の発音を真似ます。

例えば、"Beverage"という単語。日本人は、「ビバレッジ」と発音します。会社名としても使われている和製英語なので、私の脳も口もビバレッジです。しかし、本当は、「べフリッジ」に近いのです。(というか、カタカナ表記の限界で書けないです)Bev-ridgeって、発音してみてと言われました。このときの"v"は無声音に近いらしいので、舌を噛むだけで実際に音は出ません。(というか出ないらしいです。)なので、「ヴ」よりも強い「フ」に近いです。これができなくて、何度も、Bev, Bev, Bev-ridgeと練習しました。

また、"Faculty"という単語があります。これは、教授陣という意味です。しかし、私の発音、ファカルティーだと、Fuck-altyと聞こえてしまうみたいで、ネタにされちゃいました。本当は、「フェァカルティ」が近いのです。"Fax"とかも発音気をつけたほうがいいですね。「ファックス」っていうとあらぬ誤解を与えます。「フェァクス」です。Fワードは要注意です。

来年は、小さなプライドは捨てて、積極的に発音を直してもらおうと思います。そうしたら、また新たな世界が見えてくるのかもしれません。

3)話している人の口元を見る

これは、BCAPのチームメートに教わった方法です。アメリカ人がしゃべっているときに口元を見てみます。すると、日本人が聞き取りにくい「B」と「V」、「S」と「Th」が視覚的に、はっきりと差があることがわかります。「L」も、よく見ると舌のとがった先っちょが、少しだけ見えることがあります。

英会話の基本で、「アイコンタクト」と教わります。なので、口元ってあんまり見ないものです。しかし、これからは、1対1の会話でない時は、意識して見てみようと思います。さすがに、1対1で、じーーっと口元見てるのは、変に思われそうなので、やめておきますが。


ボストン名物ダックツアーの船長(10月)。
1対多なので、こういうとき口元を見るチャンス。でも、口髭でよく見えない。

4)会話を反省する

会話をしたら、その後、会話を思い出し、こう言えばもっと伝わったんじゃないかと反省しようと思います。こうすることにより、次に同じトピックがきたら、もっと話せるようになります。そして、得意なトピックを増やしていくのです。

自己紹介のように、もう何度も話しているトピックは、意外とすらすらと出てくるものです。しかし、自己紹介後、知らないトピックになると会話につまるということがよくあります。会話に詰まった場合は、ちゃんと反省をして、こう言えばよかったんだという模範解答を作ってみます。

知ってるトピックだと、いっぱい話せる、こういうのを馬鹿の一つ覚えって言われてしまうかもしれません。でも、それでもいいんです。馬鹿の一つ覚えを増やしていこうと思うのです。そうすれば、やがては一つ覚えじゃなくなります。

というわけで、「こうすれば英語が話せる」でした。来年は、少しでも、「あー。これが日本語だったらなー」ってつぶやいてしまう回数を減らせればなあと、思います。

2010年12月28日火曜日

英語あるある

MBAに来た目的の一つは、英語力を磨くことです。

私は、帰国子女ではないし、MBA受験のTOEFLもとても苦労した身です。ですから、こちらで勉強するにあたり、英語の苦労を全身で味わっています。というより、英語がこの留学生活の中で最も苦労していることなのではないかと思います。

言いたいことが思うように言えないのは、つらいことです。それから、聞き取れないのも、同様につらいことです。たとえば、、、(以下、英語あるある)

  • 教授にあいさつをしてみると、会話が始まった。早速、聞き取れず、聞き返すと、あいさつの続きだった。。恥ずかしい。
  • チームで議論。どんどん事が決まっていく。議論を頭の中で整理するスピードが追い付かない。結局、何も発言できずに議論が終わる。あー、自分の存在意義は。。
  • よくトイレで顔を合わせるクラスメート。いつも、"What's up?" "Hi." "How are you?" "Good, how are you?" "Good." で終わる。続かず、無言。。
  • 授業で教授が何か言った。聞き取れなかったけど、クラスのほとんどが手を挙げている。手を挙げるべきか。。迷って挙げずに下を向く。
  • お店で、買い物。レジで、何か言われた。2回聞き返してもわからないから、とりあえず「Yes」と言ってしまった。しかし、むこうも私がわかってないことに気付いて苦笑い。
  • 英語には「お疲れ様でした」という言葉がない。学校が終わって、目があった友人。"Hello"も”See you"も違うなと思って、無言+笑顔でごまかす。
  • 足首を捻挫したとき、みんなにどうしたの?って聞かれた。聞かれるたびに、捻挫っていう単語を忘れて、会話につまづく。ちなみに、"I sprained my ankle."が言うべき言葉だった。
  • 授業で教授に質問。"GOOD QUESTION!"って言われたのに、聞いた内容と違う答えが。質問がうまく伝わっていなかったから、教授が類推して答えちゃった。しかも、Good Questionに類推しちゃったのね。

と、恥ずかしかった経験を列挙してみました。こういうのが、一日に何回も続くと最悪な気持ちになります。そんなときは、「これが日本だったら、、、、くぉぉぉぉ~~」という、やり場のない怒りに似た感情があふれ出てくるのです。(この怒りの処理に私は歌を歌います。)

では、来学期から、どうやって改善していったらよいでしょうか?改善対策は長くなりますので、次回の投稿に回します。

さて、今日は、久しぶりに晴れたので、雪グッズを買ってきました。まずは、スノーブーツです。ボストンの冬と真剣に体当たりするには、本格的な靴が必要です。3店舗回ったのですが、どこもみんなすでに品薄。最後に行ったウェルズリー商店街のスポーツ用品店で見つけたThe North Faceのブーツを85ドルで購入しました。

ちなみに、BICのホームページによると、SORELとKEENもおすすめのようです。もうどこのお店も売り切れちゃってましたが。

http://www.asagao.com/cgi-local/bic/bbs/yybbs.cgi?mode=res&no=38471


外は防水。中はふかふか。


年の瀬で賑わう、ウェルズリー商店街

それから、ウォールマートにて、車用の雪掃きを購入。これまた必需品です。前回の大雪の時は、手と全身を使って雪を払いました。


車のトランクに備えた雪ブラシ


グッズがそろって、次の大雪が少しだけ楽しみになりました。

2010年12月27日月曜日

MBAのフレームワークと吹雪の後のキャンパス

MBAと言えば、フレームワークです。バブソンMBAでも、例外なく、フレームワークを教わります。

キャンパスの新雪に彫刻

戦略論、マーケティング、ファイナンス、どの教科を勉強していても、先人たちの教えが、きれいなマトリックスやチャートで説明されています。よく出てくるのが、マイケル・ポーターのファイブフォース分析やバリューチェーン。それから、マーケティングの5Cや4P。また、SWOT分析やSTEP分析といった、各項目の頭文字をとったフレームワークも多数あります。これらのフレームワークの説明は、そのうち、別の投稿で簡単にまとめておこうと思います。

さて、なぜフレームワークを使うのでしょうか?一般的に言われていることも含め、私が思っていることを書いてみました。

1)何から始めていいかわからないときのとっかかり

何も知識がなく、いきなり、ジュース業界について分析してくださいと言われたら、どうしますか?私の場合、何から始めていいかわからず、混乱します。とりあえず、売り場にいってみて棚に置いてあるジュースの種類を見たり、価格を見たり、味を比べてみたり。と、やってみても、結局のところ、もわーっとして主観的な分析しかできなかったりします。

そこで、ファイブフォース分析をしてみると、もっと産業のビッグピクチャーが見えてきます。「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」計5つの要因から業界全体の魅力度を見てみるのです。たとえば、「供給企業の競争力」ですが、ジュースを製造する会社の供給サイドの取引先は、果物を作る農家やペットボトルを作るプラスチックの生産企業です。こういった会社とどう価格交渉をするのか。どれくらい相手が価格交渉力を持っているのかを考えます。

このように、何から分析を始めればいいのか、マイルストーンをおいてくれるのがフレームワークです。

2)漏れやダブりがないかチェック

フレームワークは、分析の漏れを防いでくれます。先人たちが知恵をこらして作ったものなので、使い方を間違えなければ、把握すべきものをすべて網羅できるような作りになっています。そして、よくできているので、ダブることもありません。よく、コンサルタントの方が使うMECEになっているというやつです。自分でこのMECEになるような分析をするのは困難です。

3)ディスカッションの際の共通基盤として機能

BCAPのプロジェクトを通じて思ったのですが、ディスカッションは、いかにして全員が同じトピックに集中して話し合いをするかが重要です。このトピックが合致していないと、いくら話し合っても、それがかみあわずに時間だけが過ぎていきます。

たとえば、ジュース産業について話し合う時に、ある人は経済的側面。ある人は政治的側面。ある人は社会的側面。ある人は技術的側面について話し、まったく話がかみ合わないとします。しかし、この4つがSTEP分析(PEST分析)の4つの要素であることを全員が理解していれば、この話し合いを4つのフェーズに分けて一つずつ話し合うことができます。(PEST: Political, Economical Social and Technological)

グループワークでは、みんなが同じ議題を持つことがとても大事です。フレームワークはそのコンセンサスの共有にとても便利なツールです。

しかし、教わったフレームワークを使うな!というお達しが出ました。

それは、BCAPのプレゼンテーションを作成しているときでした。アドバイザーである教授から、教授陣へのプレゼンテーションの際に、スライドにフレームワークをのせてはいけないと言われたのです。フレームワークの説明ではなく、そこから導き出されるストーリーが聞きたいというのです。

これは、ごもっとものアドバイスです。プレゼンテーションを聞いている方にとっては、フレームワークを使った説明はロジカルだけど、面白味がなく、結局メッセージが伝わってこないのです。フレームワークは、あくまで分析のツールであり、それが結果ではないのです。

今後、MBAでさらに多くのフレームワークを学ぶことになるでしょう。それを学んだことで満足してはいけないという、貴重な警告でした。分析はできて当たり前。問題は、そこからどんなストーリーを紡ぎ出すか。ここが醍醐味なのです。そして、ここが分析からビジネスプランを練るための架け橋なのだと思います。このストーリーの紡ぎ出し作業に労力をかけることが、私の目標です。数をこなし、経験と直観を養う、これを繰り返していこうと思います。

結局、BCAPのプレゼンテーションでは、ひとつもフレームワークに触れませんでした。しかし、そこで語った内容は、どれもフレームワークを使った分析から紡ぎ出されたストーリーです。なので、このストーリーに漏れやダブりはなく、論理的にも筋が通っていました。(と私は思いました。)

さて、話は替わり、昨晩、アメリカ東海岸を吹雪が襲いました。夜中に、外で、ゴーゴーものすごい風の音がしていました。

雪と風がふりかかる校舎

今朝、ニューヨークのセントラルパークでは、1948年以来、月間積雪量が最高だったようです。20インチ(51cm)積もったそうです。この悪天候で、6000本のフライトがキャンセルになりました。ボストンはというと、18インチ(46cm)。朝、駐車場に行ってみると、車が雪に埋もれていました。


車の上に分厚く積もった雪

キャンパス内を歩いてみると、きちんと歩道まで雪かきがされていて驚きました。といっても、まだ雪が降っているので、またすぐに白くなってしまいますが。


雪かきされた歩道に再び積もる雪

MBAの校舎、オーリンホールも雪で真っ白です。


冬休みで中は無人のオーリンホール


メインゲートも雪化粧です。

絵になる校門

白一点の中、枯れ葉を発見。この寒さだから、触れたら、もろく砕けそうです。

凍てつく枯葉

今もまだ、窓越しに、風の音が聞こえてきます。

2010年12月24日金曜日

アメリカ最古の公立図書館

ボストンには、たくさんの学校があります。大学だけでも70校近くあります。その大学の学生数は250,000人と言われています。そんなわけで、ボストンは、アメリカのアテネ(Athens of America)というあだ名がついているそうです。

そんなボストンのアカデミックな雰囲気に触れられるのが、このボストン公共図書館です。


ボストン・パブリック・ライブラリーの正面



創設は1848年。アメリカ最古の公立図書館です。ボストンの街の中心にあります。この写真は、11月にとったものです。試験勉強をするのに、たまに、ここまで足を運びました。バブソン大学からだと、車で30分くらいです。図書館の周りの写真です。

図書館を背にした街の風景

図書館を右手にして見る街並み

図書館の中に入ってみると、とても重厚な雰囲気があります。観光で入ることもできます。


門をくぐると見えてくる階段

歴史を感じさせる内装


勉強ができるスペースに入ると、大勢の人が静かに勉強しています。ハリーポッターの映画の世界のような雰囲気です。


窓から光が差し込む、勉強スペース

古めかしい造りだけどWifi完備


中にはカフェも併設されています。


小さめのカフェ


図書館ですので、本を借りることもできます。そして、蔵書はなんと610万冊。中には、日本の本のコーナーもあります。


日本書のコーナー



今は、新しい図書館が隣に併設されています。そちらの方がすいているので、味はないですが、そちらで勉強します。

というわけで、ボストン公共図書館でした。メリークリスマス!

2010年12月23日木曜日

チーム・ダイナミクス

バブソン大学MBAのユニークなプログラムの一つに、BCAPというプロジェクトがあります。Babson Consulting Alliance Programの略です。学生が、5-7人のチームに割り振られ、そのチームで、実際に存在している企業のコンサルティング業務を行うのです。このコンサル業務を通じて、日々の机の上の勉強を実際の現場に応用する力を養おうというもくろみです。

BCAPは、大きく分けて2本立てです。前期は、スポンサー企業(BCAPではクライアント企業をスポンサーと呼んでいます。)の産業分析。後期は、スポンサー企業から与えられるお題に取り組みます。

プロジェクト中、部屋は紙だらけ


私のBCAPチームは、5人編成です。アメリカ人3人。中国人(マカオ)1人。そして日本人の私です。バックグラウンドは、不動産が2人とホスピタリティーが2人です。全員の興味は、消費者向けサービスです。そこで、学校から割り当てられたのが、ジュースの会社です。アメリカでは、かなり大きなマーケットシェアを持っている会社で、日本にも進出しています。そして、秋学期は、ジュース業界の産業分析を行いました。その分析をもとにレポートを作成し、教授5人の前で30分のプレゼンテーションをするという課題でした。

今回は、この作業に伴うチームワークについて書こうと思います。

チームワークにおいて起こる諸々の事象をTeam Dynamicsと呼んでいます。このTeam Dynamicsがチームワークのパフォーマンスのカギだと思っています。今回のBCAPを通じて、Team Dynamicsについて3つのことを考えました。

1)生産性・効率性 vs 雰囲気

長期にわたるチームワークでは、生産性や効率性も重要ですが、なんといっても、いっしょにいて楽しいとか充実してるって思えることが大事だと思うのです。この雰囲気の向上のために、自分は何ができるか考えるようにしていました。

まず、当然ですが、愚痴を言わないようにするというのは、シンプルですが、大事です。気持ち的に、負のスパイラルを巻き起こすような発言は自分からしないし、他人がした場合は、それを正のスパイラルに巻き戻すような発言を自らするようにしました。レポート作成時は、朝の6時半までかかったのですが、このとき、私のチームは最後まで雰囲気が良かったのです。これは、負のスパイラルを起こさなかったことに起因していると思います。

また、これは、生産性を犠牲にする可能性があるのですが、議題から話がそれたときに、ある程度それた話にも付き合うということも自分の中で意識して行いました。これは、限られた時間の中の会議では有効ではないと思います。でも、今回のように、学びの場では、あえてそれた話をするのは、視野を広げたり固定観念を打ち砕くには、良い方法かなあとも思いました。その過程で、話が広がってくると、お堅い会議ではなく、充実したコミュニケーションになりました。

あとは、単純ですが、飲み物や食べ物を買ってきて、みんなでシェアすると、なんだかほのぼのとあたたかい気持ちになります。それから、「同じ釜の飯を食う」じゃないですが、最後の4日間は毎日みんなで同じデリバリーの夕食を食べました。こういうのが意外とチームの結束を深めたりします。

2)チームメートの個性

チームメートそれぞれが強烈な個性を持っています。この個性たちとどう付き合うか。どう個性を生かして、全体の生産性を高めるか。これが一番苦労しました。3時間くらい同じことを議論しても、結局先に進めず、袋小路になってしまうこともありました。(ただ、不思議なことに雰囲気は悪くならないのです。。)

スライドを紙に貼って議論

リーダーのいないチームなので、トップダウンですすめることはできません。なので、こういった行き場を失った議論には毎回悩まされ、うやむやにして次に進めてしまいました。

3)共有することの満足

最後に、仲間と苦しみや喜びを分かち合うのってチームワークの醍醐味なんだなあと感じました。これは、終わった時に気付きました。レポートとプレゼンテーションが無事終了した日の夜、寝る前に、明日からチームメートに会えないのかーと寂しさを感じたのです。

仕事を独りで行うのは、ある意味楽です。自分でなんでも調整できるし、上記のような他人の個性に振り回されることもありません。でも、最後の満足を考えると、チームでの達成感というのは、個人のそれを何十倍も上回ります。

ということで、Team Dynamicsについて想ったことを書いてみました。来年も同じチームでプロジェクトをやるにあたり、上記3点について、より考えを深めていきたいと思います。


林に積もる雪

最近、毎日のように雪が降っています。でも、昨日は冬至。今日からまた日が少しずつ長くなるのかあと思うと、ちょっとうきうきします。

2010年12月21日火曜日

雪の中の反省会

本日は、日本人の同期とMod2の反省会とこれからに向けての話し合いをしました。現在、日本人のバブソンMBA1年生は、私を含めて4人います。この反省会は今回が2回目です。前回は、Mod1が終わった後にやりました。

こういったフィードバック・セッションはとても重要だと考えています。これにより、やってきたことが整理されて、次にどうしたら改善が見られるかという、進化を考えられると思います。そして、この考え方を共有できる仲間がいるのはとても嬉しいことです。

いろいろな議論が出たのですが、4人が共通して話題にしたことは、「消化不良」です。このMod2の2か月半、様々なケースを読み、理論やフレームワークを学んできたましたが、決してそれを完璧に理解したわけではありません。ケースで言えば、読むことで精いっぱいで、そこから自分だったらどうするかとか、今後自分だったら、この教訓や理論をどう生かすかといった踏み入ったところまでは、全然考えきれていません。

というわけで、私にとって、冬休みはこの踏み入った理解をするのにとても最適な時間だと思っています。さあ、がんばろうと、自分に言い聞かせます。

そして、もう一つ大事なのは、来年のMod3の過ごし方です。話題になったのは、「復習」と「予習」のバランスです。「復習」をしないと学習が身につきません。なので、この復習時間をきちんととるようにしていきたいと思います。限られた時間の中で、復習時間を増やすと、何かを犠牲にしなくてはいけません。ということで、学習内容に強弱をつけて、選択と集中をしていかないといけないと思っています。これが、また消化不良を引き起こしてしまわないか、不安ですが。

冬景色のボストンです。いろんな風景が絵になります。あと数日でクリスマス。



クーリッジコーナーの小学校

車の中で、ラジオを聴いていると、クリスマスソングが流れます。日本では、あまり馴染みのない「Let it snow」と「Winter Wonderland」がよくかかっています。耳に残りやすい歌なので、頭の中でずっと、こだましています。

2010年12月20日月曜日

冬休みの始まりとブログの引っ越し

秋学期(Fall Semester)が終了し、冬休みが始まりました。

時間ができたので、今までできなかったことをどんどんやっていこうと思っています。

手始めに、ブログの引っ越しをしました。Googleが提供している、Bloggerというサービスを使うことにしました。いくつか、無料のブログサービスを試してみたのですが、Bloggerが私にとって一番よかったのです。簡単に理由を説明します。

1)デザインの加工がいろいろできる
Bloggerは、そんなにテンプレートが多いわけではありません。しかし、HTMLを知らなくても自分で簡単にカスタマイズができます。背景の色を変えたり、背景に写真を入れたり、文字の色、フォントを変えたり、各セクションの幅を変えたりできます。

2)写真をのせやすい
今まで使っていたSeeSaaだと、写真の大きさを調整したりが面倒でした。しかし、Bloggerでは、それが簡単にできます。キャプションもつけられます。そして、写真はPicasaと連動しています。

3)HTMLを勉強できそう
1)と矛盾しそうですが、HTMLでの編集ボタンがいろいろなところについていて、HTMLで編集してみたいなあというモチベーションを喚起させられます。現時点で、私は、プログラミングはまったくわからないのですが、もしかしたら、これを機に、すこーーしだけ触れてみようかなあという成長の可能性を見出してます。

ちなみに、この引っ越しは、こちらのサイトを参考に行いました。
http://bloggertouch.appspot.com/soundtrackd/post/5849563537349397255
今までのブログをファイルとしてエクスポートして、形式を変換し、Bloggerにインポートするという流れです。

というわけで、今までのブログをブックマーク、リンクしていただいた方には、大変お手数おかけいたしますが、こちらの新しいURLへの登録変更をしていただけると、とても嬉しいです。

http://a-way2go.blogspot.com/

そして、本日、ボストンは本格的な雪です。スニーカーで歩いていたら、すべってしまいました。冬用のブーツが必須のようです。

白くなっていくキャンパス

イルミネーションが光る、ウェルズリーの小さな街

クリスマスの飾りつけをしている家

本格的な冬がすぐそこまで訪れています。

2010年11月23日火曜日

美味しさは伝わるのか?

日本からアメリカに来ている人が口を揃えて言う言葉があります。それは、「アメリカの食事は美味しくない」です。これは、日本人に限らず、アジア・ヨーロッパ・南米、どこから来た人も、みな「アメリカの食事は美味しくない」と言います。たしかに、正直、美味しくないです。私のブログでは、今まで美味しかったもののみを紹介してきました。しかし、その陰にはいくつもの美味しくない料理がありました。そして、それは見た目ではわからなかったりするのです。

例えば、この学校のカフェテリアのピザ。こうやって見ると、おしゃれな感じに見えて、美味しいんじゃないかと淡い期待をしてしまいます。ところが、食べてみると、チーズの油でぎとぎとなのです。トマトソースもしつこい味で、2日連続で食べると口の中に口内炎ができます。これをコーラで流し込むように食べるのがアメリカ流です。恐ろしいです。

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とはいえ、そんなアメリカにも健康志向の波が押し寄せています。そこで人気を得ているのが、日本食です。ちょっとトレンディーな雑貨屋さんでは、こんなスタイリッシュな寿司グッズを売っていたりします。

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学校のカフェテリアにも寿司コーナーがあり、その場でにぎったり巻いてくれるサービスもあります。

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しかし、私たちの知っている日本食は、寿司だけではありません。そば、うどん、ラーメン、牛丼、親子丼、かつ丼、といったどんぶりもあれば、煮物、揚げ物、焼き物、数えきれないほどの日本食があります。そして、我々、日本人は、それらの料理がとても美味しいことを知っています。私は、常日頃、これらの美味しさをアメリカ人に伝えたい、と考えています。

どうしたら、美味しさが伝わるか。食べてもらえば、伝わるはずだ。

というわけで、先週、日本食を紹介するイベントを開催しました。名目は、手巻き寿司をみんなで作るCooking Classです。このプランで、学校側からも予算をいただくことができました。学校の掲示板にちらしを貼り、イントラネット上でも告知をしたおかげで、20名ほど集まりました。その半数以上が、アメリカ人で、あとはラテンアメリカ3名、中国人3名、インド人、アフリカ人1名ずつでした。そして、メニューは、手巻き寿司、大根と油揚げのお味噌汁、デザートにおしるこでした。

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これは、当日に配ったメニューです。

Cooking Class Menu 2.pdf

私は、味噌汁とおしるこが大ヒットするのではないかという期待と自信をもっていました。実際、かなりいいできの味噌汁とおしるこで、2人ほど手伝いにきていただいた日本人には、美味しいと言ってもらえました。その反面、寿司にはあまり自信を持っていませんでした。

しかし、イベントが始まると、参加者たちは、予想以上に寿司を食べました。特に、サーモンとマグロとウナギが大人気でした。イクラも、みんな意外と食べていました。残念ながら、鯛はあまり手をつけてもらえませんでした。

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寿司が一回りした後、味噌汁をよそいました。ここで、参加者に異変が。。。みんな、「おなかいっぱいだから、少しでいいよ」と言うのです。そして、明らかに、食が進まないのです。おしるこも同様でした。もちろん、だれもおかわりをする人はいませんでした。

見事に期待を裏切られたことに、ショックを受けました。これが、壁かと。

すなわち、アメリカで市民権を得ている"Sushi"と「味噌汁」「おしるこ」には大きなへだたりがあったのです。このへだたりを、私は侮っていました。おいしいものは、説明しなくても、食べればわかってもらえる。そういう勘違いをしていたのです。

ここで、「美味しさ」ってなんだろうという問いかけに戻る必要性を感じました。

学部生の日本人の後輩にこの話をすると、彼は、ビールの話をしました。「ビールって初めて飲んだ時は、美味しくないじゃないですか。でも、ビールを飲むことと飲んでる時の楽しい思いでとかが絡み合って、だんだんに美味しく感じるようになるらしいです。」つまり、ビールを初めて飲む人に、ビールの美味しさを説明するのはきわめて困難なのです。かといって、飲めばわかると言って、飲んでもらっても、やはり初めから美味しいと感じる人は少ないでしょう。アメリカ人にとっての日本食も似たところがあるのかもしれないのです。

私たちは、幼少時からの味覚形成や思い出が合い混じって、味噌のこくや、小豆の甘さを美味しいと感じるようになったです。それを、一朝一夕でアメリカ人に理解してもらうのは、到底無理な話だったのです。

また、見た目、盛り付け、容器といった食事に付随する「デザイン」が、「食材」の乗数になることを理解しなくてはいけません。(料理=食材xデザイン)今回は、予算と時間の都合上、この乗数が限りなく1に近かったと思います。そして、食材としての美味しさ即ち味覚は、十人十色。しかし、見た目、盛り付け、容器に対する美の感覚は、味覚に比べて標準偏差が小さいと思うのです。万人受けする食材より、万人受けするデザインの方が多く存在するはずです。

せっかくなので、統計学の知識を使って、イメージ。
��平均50で、標準偏差を10(デザイン)と20(食材)で比べた見たチャート>

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Sushiは、本質的な「食材」だけでなく、この付随する「デザイン」もうまく機能して、市民権を勝ち得たのでしょう。

日本は、今、このデザインとしての魅力を見直されています。漢字が日本の「アート」としてアメリカでうけていたり、アニメも日本の芸術として認識されています。また、「禅」を取り込んだデザインがアメリカではスタイリッシュにうつったりしてます。こういった日本独自のデザインを、様々なビジネスアイディアに取り込んでいくことで、他の国がマネできなアドバンテッジを獲得できるのではないかと思います。


2010年11月14日日曜日

成長すべき理由とあまり見ない料理

「何故、企業は成長しなくてはいけないのか?」
この質問は、いろいろな授業で登場します。それだけ、様々な切り口で議論が可能なのでしょう。

そんなわけで、MBA生活もModule2(以下Mod2)を迎えて、実践的な授業が増えてきました。
Mod1では、クリエイティビティーとかリーダーシップ、倫理といったソフトスキルを学びましたが、Mod2では、よりテクニカルなクラスが増えてきました。(Mod1については、2010年9月13日の記事参照)Mod2も、必須授業で、選択の余地はありません。以下、5つのクラスの紹介です。

1) CSCA: Competitive Strategy & Competitor Analysis (Strategy)
いわゆる経営戦略の授業です。マイケル・ポーターのバリューチェーンや5F分析を用いて、ケーススタディをします。
正直なところ、ケースで取り扱う企業に興味を持てるか持てないかで、授業の面白さは変わってきます。

2) DA: Data Analysis (Statistics)
統計の授業です。Excelを使って、回帰分析、デシジョンツリーの分析とかをやっています。
統計の計算方法はあまり触れず、データの分析にフォーカスしています。

3) FIN: Managing Cash Flows (Finance)
一般的なファイナンスの授業です。

4) MEIA: Market Environment and Industry Analysis (Microeconomics)
ミクロ経済の授業です。社会科学的なアプローチというより、ビジネスの視点から勉強しています。

5) MODA: Market Opportunities, Definition & Assessment (Marketing)
マーケティングの授業です。教授が中国系の先生で、よく中国の話が出てきます。
市場規模の計算など、わりと数字を使うことが多くて意外でした。

今は、Mod2の中盤です。
あいかわらず、宿題は多いのですが、少しずつ文章を読むスピードが速くなってきたかなあと感じています。

さて、本題に戻りまして、これらの授業で、何かと話題になるのが、「何故、企業は成長しなくてないけないのか?」です。
一般的な解答としては、「株主の期待に応えるため」というのがあります。
しかし、これだけが正解であるとは思えません。まず、上場していない企業で、株主が成長を望んでいなければ、この解答は不正解になってしまいます。

先々週お会いした、ある会社の社長さんに同じ質問をさせていただいたところ、こう答えてくださいました。
「従業員に希望を持ってもらうため」と。これも、非常に重要だと思います。
誰でも、企業で働いていれば、やはり年々、昇進していきたいという願望があります。
その昇進後のポジションを作っていくには、企業は成長していかなけらばなりません。

他にも、考えうる限り、たくさんの解答があるでしょう。

そんな中、私は、企業が成長しなくてはいけない理由は、競合他社が常に成長しているからだと思っています。
つまり、自分の成長が止まっても、周りの成長は続いている。そうなると、自分が成長をやめた時、相対的に、自分は世の中から遅れていき、「成長しないこと」=「後退すること」になると思うのです。
特に、今の時代は、この「競合他社」の枠がローカルから、グローバルに広がったこと。「周りの成長」のスピードが、急速になったことで、企業は一昔前よりもさらに、成長しなくてはいけないプレッシャーに晒されていると思います。

また、競合他社の成長につれて、お客様の満足の閾値も成長していきます。
ですので、成長をしなくなった企業は、必然的にお客様を満足させることができなくなってしまうのです。

ということで、事業を持続させるには、どんな企業も成長しなくてはいけないと思うのです。

ただ、ここで、気をつけなくてはいけないのは、「成長」=「会社を大きくすること」ではないことです。
会社が大きくなることで、商品やサービスの質が低下し、組織が官僚化し、管理業務にリソースがとられ、利益が小さくなることもあるかもしれません。
大事なのは、周りの成長を常に認識して、新しいことに挑戦していくことだと思います。

これは、ビジネスだけではなく、人生にも言えることだと思います。
周囲の変化をとらえて、常に自己研鑽をしていく。これが、これからの時代、大事であると自分に言い聞かせています。

さて、アカデミックな内容はこれくらいにして、今日は、日本ではあまり見ない食べ物特集です。


まずは、キャラメルコーティングのリンゴです。いろいろな種類があります。

Photo 10月 10, 23 28 51.jpg

私がトライしたのは、ココナッツをまぶしたもの。日本のリンゴと比べると、
アメリカのリンゴは酸っぱいです。
なので、こういう甘いコーティングとマッチします。食べやすいように切り分けてあるのが嬉しいです。

P1040419.jpg

Wrentham Villege Premium OutletsのRocky Monutain Chocolate Factory
https://rockymountainchocolatefactory.com/rmcf/control/productList

次は、レインボーロール。
フラミングハムにある、「葵」という日本食レストランの巻きずしメニューです。
葵は、寿司メインの居酒屋風のお店です。このレインボーロール、マグロ、サーモン、鯛(?)、エビ、アボカド、が順々に巻かれています。意外と美味しくて驚きます。

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同じく、葵の巻物メニューなのですが、なんと、海苔ではなく、キュウリの薄切りで巻いています。
ちなみに、中身はサーモン。光っちゃってよく見えませんが、容器もおもしろいですね。

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Aoi
http://www.yelp.com/biz/aoi-framingham


最近は、ほんの少し、飽きてきたロブスターです。
これは、ロブスターのテルミドール。クリームソースとチーズをかけて焼いてあります。
いつも人でいっぱいのアトランティック・フィッシュのおすすめメニューです。

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Atlantic Fish
http://www.atlanticfishco.com/

こちらは、サマー・シャックというお店のJasper's Pan Roasted Lobster。
このオリジナルソースのかかったロブスター、とてもとてもおいしいです。
なぜか、ロブスターの付け合せは、とうもろこしのパターンが多いです。

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ちなみに、サマー・シャックは、カキも美味しいです。10種類くらいの中から選べます。
ちょっと変わっているのは、チリソースとビネガー(お皿の中央)で食べるのです。でも、個人的には、レモンだけで食べた方が美味しいと思います。。。

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Summer Shack
http://www.summershackrestaurant.com/

こちらは、一見、普通のハンバーガー。しかし、ポイントは、焼き加減を指定できるところなのです。ボストンのレストランでは、ハンバーガーを注文しても、レア・ミディアム・ウェルダンか聞かれます。これは、ミディアム。写真じゃあわからないけれど、フォークで切ると、ジューシーな肉汁があふれます。チェーン店のシカゴ・グリルというお店です。

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UNO Chicago Grill
http://www.unos.com/

次は、中華料理編。
これは、私の大好物の夫妻肺片。名前だけ見ると、夫婦の片方の肺??という、理解不能のメニューですが、牛タン、レバー、ミノなどのホルモンに四川風の味付けをした辛い料理です。
唐辛子の辛さと山椒の痺れが食欲をそそります。ぜひ、前菜に食べたい一品。
ボストンは、広東料理が多いですが、フラミングハムの老四川では、四川料理が楽しみます。

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老四川 Sichuan Gourmet
http://www.laosichuan.com/ch/index.php

こちらは、白くて柔らかい皮に包まれたエビの餃子。日本では、あんまり見たことのないタイプの飲茶です。チャイナタウンのチャウチャウシティというレストランの2Fで飲茶を食べれます。

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オイスターのチーズフライもめずらしいです。ガーリックが強くきいていて、ちょっとイタリアンな感じもしました。

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潮洲城大酒楼 Chau Chow City
http://chauchowcity.net/index2.html

最後はデザートです。とてつもなく大きなチョコレートケーキ。大きさを伝えるために、となりにフォーク並べています。このフォーク、デザートフォークじゃなくて、普通のフォークです。ちなみに、お店は、ステーキハウスです。

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Smith & Wollensky
http://www.smithandwollensky.com/locations/boston_steakhouse.htm


というわけで、ちょっと変わった料理特集でした。
料理も日々日々、成長しているようです。



2010年10月1日金曜日

20世紀最高の経営者?とマンマ・ミーア!

世の中には、たくさんのリーダーがいます。「20世紀最高の経営者」と言われた男のリーダーシップ・スタイルに対して、クラスメートの7割が支持。3割が不支持でした。今日は、その人についてまとめておきます。

私のお気に入りの授業は二つあります。ESR(倫理)とLDO(リーダーシップ論)です。この前、ESRについて書いたので、今日は、LDOについて書こうと思います。

LDO (Leading Dynamic Organizations)の授業は、基本的にケーススタディ形式です。授業の前に、約20ページくらいのリーダーに関する事例を読みます。この事例の中では、リーダーがどのようにして、チームをまとめたか、もしくは、まとめるのに失敗したかが書かれています。その話をもとにして、授業で、ディスカッションをします。

ここまでの8回の授業で、様々な事例を見てきました。その中でも、特に印象深かったGEのジャック・ウェルチです。「20世紀最高の経営者」と言われた男です。有名な経営者で、日本でも何冊も本が出ているのですが、私はあまり馴染みがありませんでした。それだけに、とても勉強になりましたので、興味深かった点について、まとめました。

40万人の頂点
1981年、当時45歳のジャック・ウェルチは、アメリカ経済が不況の中、GE(ゼネラル・エレクトリック社)のCEOになりました。なんと、当時のGEの従業員数は、40万人。その頂点に立ち、改革を行っていきます。40万人を牽引するリーダーシップの話なんて、庶民には縁のない話なのではないかと思いがちですが、参考になることは沢山あるのではないかと思います。

1番or2番 もしくは撤退
ジャック・ウェルチはまず、GEのすべての事業をその業界で1番か2番にするように指示しました。もし、1番か2番になれないなら、撤退をするようにと言いました。このメッセージは、シンプルかつ強烈なメッセージです。もちろん、ものすごい反対があったのは確かだと思います。でも、この人は本当にやってしまいます。その後も、とにかく目的を高く設定するやり方は変えません。6年後には「世界で」1番か2番と、スタンダードをさらに高くしています。

中性子爆弾というあだ名
中性子爆弾は、放射能で、建物を壊さずに人間のみを破壊する爆弾です。これがジャック・ウェルチにつけられたあだ名です。(Neutron Jackの訳。)彼は、会社は守るけれども、人材は守らないと揶揄されました。というのも、最初にいた40万人のうち、10万人以上を解雇しました。1989年には、従業員数は29万人。ここまで、思い切ったことをする腹のうちには、きっと殺されてもいいという覚悟があったのではないでしょうか。並大抵の心境ではないと思います。このドラスティックなやり方には、クラスの3割が難色を示していました。

小さな会社の文化を
ジャック・ウェルチは、会社から官僚主義(bureaucracy)を徹底的に排除しようとしました。そして、小さな会社のような文化をはぐくむ努力をしました。すべての従業員が、仕事に夢中になり、意見を持つこと。30万人の会社でこれをやることがどれだけ難しいかは、想像不可能です。彼の行ったことは、例えば、小さなチームを組ませ、ニュージーランドなどのオフサイトに彼らを集めて、抱えている問題や解決方法についてディスカッションさせました。そして、最後に彼らの上司の前でそれを発表させました。このようにして、従業員一人一人に仕事の自覚と責任を持たせたのです。

オンリーAプレイヤー
これは、正直なところ、賛成しかねるやり方ですが、ジャック・ウェルチは、Aプレイヤー(超優秀な従業員)のみの会社を作ろうとしました。長期的パフォーマンスから従業員を5段階評価し、トップの2ランクには、とことん、ボーナス(ストックオプション)を支払いました。そして、10%の従業員に最下位のランクをつけ、彼らを解雇しました。判定がフェアになるように、360°評価を採用し、上司・部下・同僚からの評価されるシステムを採用しました。この方法は、今やいろいろな会社で行われていると思います。私の前職でも360°評価に近いことを試みようとしていました。

まだまだ、他にもたくさんのことをしたのですが、これらが、私の脳裏に強く残った内容です。とき同じくして、国際市場では、海を越えた日本の終身雇用の会社がGEと競争していました。対極の経営手法の両社が戦った時代は過ぎ、今、新たな時代を迎えようとしています。おそらく、両社の中庸となるモデルが必要になってくるのでしょう。その中庸を、両端をきちんと押さえたうえで、勉強していこうと思います。

さて、秋になってきました。本日、土曜日だったので、髪を切りに近くの街まで歩いて行ってみました。ということで、まだ近隣の様子を紹介していなかったので、写真を撮ってきました。

まずは、キャンパスの中から。キャンパスの中には、普通に車道があります。バブソン大学のキャンパスの大きさは東京ドーム32個分だそうです。広すぎですね。

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歩道には、どんぐりが沢山落ちています。日本のどんぐりより少し大きいです。

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この時期、木を見上げるのは危険です。どんぐりが勢いよく落ちてくるので、顔に当たったら、かなり痛いと思います。

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さて、校門を出ます。

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校門を出ると森の中です。この通りは、ウェルズリー・アベニューという名前です。ウェルズリーの街までつながっています。

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きれいな家が並んでいます。

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空気がすごく澄んでいて、散歩をしているととても気持ちがいいです。

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約2.5キロ歩くと、街にたどり着きます。小さな小さなウェルズリーの街です。商店街には、古くからありそうな美容室や靴屋や本屋、高級そうな洋服屋さん、スタバやBodyShopやCVS(アメリカの大手薬局)が混在しています。

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今回のお目当ては、美容室: Salon Internationale。イタリア人のご主人は、37年間店を切り盛りするベテラン美容師。シチリア島出身だけあって、驚くと、「マンマ・ミーア!!」と声を張ります。

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最後に、ジェルで七三分けしてくれて、滝廉太郎ふうの仕上がりになりました。マンマ・ミーア!!