2010年5月13日木曜日

3分間の怒り

今日は、久しぶりに、会社で1日研修を受けました。お題は、「顧客満足」。興味のある分野だし、企業活動の根拠となるテーマだけに、真剣に参加しました。今回は、その中でも特に、電話応対における顧客満足に絞られていました。

いくつか、気になるトピックはあったのですが、私の中で、特に新しい発見だったのは、クレーム対応です。以前、コールセンターでバイトをしていたときに、よくクレーム対応をしていたのですが、まあ、それはバイトレベルなわけで、「もうだめだ」とというところまできたら、社員に代わるという逃げ道が用意されていました。

なぜ、クレーム対応が必要なのか。それは、クレーム対応がうまくいくと、そのお客様は、結果的に、その企業の固定客になるのだそうです。このクレーム対応で固定客を作ることにより、売上を30%伸ばした企業もあるとのこと。いくつか、統計データを見たのですが、たしかに、クレーム対応を上手にできるかどうかで、収益へのインパクトはかなり大きいようです。

さて、「怒りのピークは3分です。」らしいです。でも、なぜ、クレームの電話は3分で終わらずに、長引くのか。それは、対応している間に、お客様に怒りのエネルギー補給をしてしまっているからということです。

つまり、本当は、怒りのピークは3分で終わるのに、その3分後にまた、怒りに油を差してしまい、次のピークがまたやってきてしまうのが問題なのだそうです。

怒りは、人間の欲求のひとつであり、溜まっているストレスを放出する気持ちのいい行動らしいです。うまく対応して、怒りを沈め、建設的なご意見をいただくのはとても難しいのです。

では、どうするか。次の4つのステップがあります。(研修では6つでしたが、要約しました。)

��)まずは、話をよく聞いて状況整理をする。このときは、とにかく聞き手にまわるよう、徹底する。ただし、罪を認めない。「詫びる」と「謝罪」は違うので、「詫びる」だけにするのが重要です。便利な言葉は、「ご迷惑をおかけしております。」ここで、「私が悪うございました。申し訳ございません」と言ってしまうと、実際に悪いことをしていないと発覚しても、この言葉が今度はクレーム対象になります。

��)もっとよく話を聞く。あらゆる怒りをまず放出していただくことに集中します。怒りの放出が足りないと、いったん解決した後、また怒りがこみ上げてくるということがあります。

��)簡潔に解決策を提示する。あまり言葉を長くしないで、1文、1文で言葉を区切って、アクションポイントを提示します。このとき、1文が長くなるのを防ぎ、かつ、枕詞をおいて、しゃべるのが重要です。私も、自分のシュミレーションを録音してみてわかったのですが、いらない接続詞でつなぎながら、とても長い言葉をしゃべってました。
そして、ボキャブラリーのなさを指摘されないように、枕詞をいろいろ入れます。

お腹立ちごもっともではございますが、
大変恐縮ですが、
おっしゃるとおりでございますが、
あいにくではございますが、

��)お礼をする。「ありがとうございました」という言葉を必ず言うのが重要です。なぜかというと、この言葉によって、ドーパミンが3秒出るそうです。そして、相手が電話を切ったら、電話を切ります。

プロは、このステップにはまらず、臨機応変に相手によって様々な方法をとると思います。

本来、Claimとは、「当然の権利を主張する」という意味です。そのメッセージに、様々な感情が上乗せされ、対応が難しいものに変わります。結局、この「メッセージ」の部分と「感情」の部分を、切り離して整理しながら対応するのがとても大事だと思いました。