2010年10月1日金曜日

20世紀最高の経営者?とマンマ・ミーア!

世の中には、たくさんのリーダーがいます。「20世紀最高の経営者」と言われた男のリーダーシップ・スタイルに対して、クラスメートの7割が支持。3割が不支持でした。今日は、その人についてまとめておきます。

私のお気に入りの授業は二つあります。ESR(倫理)とLDO(リーダーシップ論)です。この前、ESRについて書いたので、今日は、LDOについて書こうと思います。

LDO (Leading Dynamic Organizations)の授業は、基本的にケーススタディ形式です。授業の前に、約20ページくらいのリーダーに関する事例を読みます。この事例の中では、リーダーがどのようにして、チームをまとめたか、もしくは、まとめるのに失敗したかが書かれています。その話をもとにして、授業で、ディスカッションをします。

ここまでの8回の授業で、様々な事例を見てきました。その中でも、特に印象深かったGEのジャック・ウェルチです。「20世紀最高の経営者」と言われた男です。有名な経営者で、日本でも何冊も本が出ているのですが、私はあまり馴染みがありませんでした。それだけに、とても勉強になりましたので、興味深かった点について、まとめました。

40万人の頂点
1981年、当時45歳のジャック・ウェルチは、アメリカ経済が不況の中、GE(ゼネラル・エレクトリック社)のCEOになりました。なんと、当時のGEの従業員数は、40万人。その頂点に立ち、改革を行っていきます。40万人を牽引するリーダーシップの話なんて、庶民には縁のない話なのではないかと思いがちですが、参考になることは沢山あるのではないかと思います。

1番or2番 もしくは撤退
ジャック・ウェルチはまず、GEのすべての事業をその業界で1番か2番にするように指示しました。もし、1番か2番になれないなら、撤退をするようにと言いました。このメッセージは、シンプルかつ強烈なメッセージです。もちろん、ものすごい反対があったのは確かだと思います。でも、この人は本当にやってしまいます。その後も、とにかく目的を高く設定するやり方は変えません。6年後には「世界で」1番か2番と、スタンダードをさらに高くしています。

中性子爆弾というあだ名
中性子爆弾は、放射能で、建物を壊さずに人間のみを破壊する爆弾です。これがジャック・ウェルチにつけられたあだ名です。(Neutron Jackの訳。)彼は、会社は守るけれども、人材は守らないと揶揄されました。というのも、最初にいた40万人のうち、10万人以上を解雇しました。1989年には、従業員数は29万人。ここまで、思い切ったことをする腹のうちには、きっと殺されてもいいという覚悟があったのではないでしょうか。並大抵の心境ではないと思います。このドラスティックなやり方には、クラスの3割が難色を示していました。

小さな会社の文化を
ジャック・ウェルチは、会社から官僚主義(bureaucracy)を徹底的に排除しようとしました。そして、小さな会社のような文化をはぐくむ努力をしました。すべての従業員が、仕事に夢中になり、意見を持つこと。30万人の会社でこれをやることがどれだけ難しいかは、想像不可能です。彼の行ったことは、例えば、小さなチームを組ませ、ニュージーランドなどのオフサイトに彼らを集めて、抱えている問題や解決方法についてディスカッションさせました。そして、最後に彼らの上司の前でそれを発表させました。このようにして、従業員一人一人に仕事の自覚と責任を持たせたのです。

オンリーAプレイヤー
これは、正直なところ、賛成しかねるやり方ですが、ジャック・ウェルチは、Aプレイヤー(超優秀な従業員)のみの会社を作ろうとしました。長期的パフォーマンスから従業員を5段階評価し、トップの2ランクには、とことん、ボーナス(ストックオプション)を支払いました。そして、10%の従業員に最下位のランクをつけ、彼らを解雇しました。判定がフェアになるように、360°評価を採用し、上司・部下・同僚からの評価されるシステムを採用しました。この方法は、今やいろいろな会社で行われていると思います。私の前職でも360°評価に近いことを試みようとしていました。

まだまだ、他にもたくさんのことをしたのですが、これらが、私の脳裏に強く残った内容です。とき同じくして、国際市場では、海を越えた日本の終身雇用の会社がGEと競争していました。対極の経営手法の両社が戦った時代は過ぎ、今、新たな時代を迎えようとしています。おそらく、両社の中庸となるモデルが必要になってくるのでしょう。その中庸を、両端をきちんと押さえたうえで、勉強していこうと思います。

さて、秋になってきました。本日、土曜日だったので、髪を切りに近くの街まで歩いて行ってみました。ということで、まだ近隣の様子を紹介していなかったので、写真を撮ってきました。

まずは、キャンパスの中から。キャンパスの中には、普通に車道があります。バブソン大学のキャンパスの大きさは東京ドーム32個分だそうです。広すぎですね。

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歩道には、どんぐりが沢山落ちています。日本のどんぐりより少し大きいです。

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この時期、木を見上げるのは危険です。どんぐりが勢いよく落ちてくるので、顔に当たったら、かなり痛いと思います。

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さて、校門を出ます。

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校門を出ると森の中です。この通りは、ウェルズリー・アベニューという名前です。ウェルズリーの街までつながっています。

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きれいな家が並んでいます。

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空気がすごく澄んでいて、散歩をしているととても気持ちがいいです。

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約2.5キロ歩くと、街にたどり着きます。小さな小さなウェルズリーの街です。商店街には、古くからありそうな美容室や靴屋や本屋、高級そうな洋服屋さん、スタバやBodyShopやCVS(アメリカの大手薬局)が混在しています。

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今回のお目当ては、美容室: Salon Internationale。イタリア人のご主人は、37年間店を切り盛りするベテラン美容師。シチリア島出身だけあって、驚くと、「マンマ・ミーア!!」と声を張ります。

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最後に、ジェルで七三分けしてくれて、滝廉太郎ふうの仕上がりになりました。マンマ・ミーア!!