H Mart
Burlington, MA 01803
+1(781)221-4570
http://www.hmart.com/company_new/shop_store.asp?store_code=BLT
アメリカでの寮生活が始まってから、すでに1か月半。
どんな食生活をしているのかというと、毎日、日本米を食べています。サラダには叙々苑のドレッシング。うどんは讃岐うどん。冷凍の餃子を焼いて、ポン酢とゆずこしょう。たまにそばも食べます。麻婆豆腐やエビチリも食べます。そんな私の食生活を可能にしてくれているのが、H Mart。バブソンのキャンパスから車で20分のところにある、韓国系のスーパーマーケットです。
大変お世話になっていて、ありがたい存在ですので、紹介します。ぜひ、ボストンに住むことがありましたら、ご利用ください。
場所は、ボストンの郊外のバーリントン。高速道路の出口のすぐ近くなので、高速が混まなければ、スムーズに行けます。
まずは、お米売り場。こんなに種類があります。日本米は、一番高いですね。
私のお気に入りは、「かがやき」というカリフォルニア産のコシヒカリ。7キロで24ドルです。先週は、安売りで19ドルで売ってました。
さて、売り場を歩いていると、ふじりんごが!
謎な大きな果物も売ってます。これ、恐ろしいにおいします。
私の大好物のかにぼこです。しかし、ものすごく長いです。
韓国のマーケットなので、キムチは、ものすごい数の種類がおいてあります。この写真はほんのごく一部です。
冷凍食品で、こんな変り種も。
これは、私が東京時代に愛していた讃岐うどん。時間のない時は、これをレンジで温めて、明太子パスタのソースをかけます。2分でできるインスタント料理。
至る所で試食ができるので、ちょっとあやしい食品も食べてみて美味しければゲットです。試食を作る店員さんたち。たまに、やる気がなさそうな店員さんもいますが、それはそれで、見ていて面白いです。この餃子は美味しかったので、買いました。
洗顔フォームも日本のものがそろいます。
気が付くと、大量の買い物をしてしまいます。アメリカでは、買いだめが基本なのです。これで、2週間はもちます。日本に比べて賞味期限がかなり長いので、よくもちます。(それだけ、保存料が使われているということなのですが。。。)
フードコートも併設しています。メインは、韓国料理。日本料理もありますが、まあ、せっかく韓国マーケットなので、いっしょにいった中国系アメリカ人のH氏と、石焼ビビンバとプルコギを食べました。
毎日、たしかに、勉強は忙しいのですが、食べ物だけはしっかりと食べています。食べれば、元気が復活してきます。食は、元気の源。これから、寒くつらいシーズンになっていきます。食の力で乗り越えようと思っています。
2010年9月28日火曜日
2010年9月22日水曜日
正義と正義のジレンマと登山
ESRのクラスより。「私たちは、between right and wrong(正義と悪)の判断で悩むだけではなく、between right and right (正義と正義)の判断で悩むこともあります。」
私のお気に入りの授業は二つあります。ESR(倫理)とLDO(リーダーシップ論)です。今日は、ESRについて書こうと思います。
ESRとはEthics and Social Responsibility Streamで、倫理と社会的責任(社会正義)というクラス名です。正直、最初の印象としては、今や当たり前となった企業の社会的責任(CSR)とかをやる授業かなあと思っていました。ところが、哲学者・思想家の理論を読みながら、いろいろな人間関係のケースを読むとても興味深い授業です。
日本語で読んでも難しい文献を英語で読んでいるので、もしかしたら、解釈に誤解があるかもしれません。でも、私の感じたことして記しておこうと思います。
授業では、上に書いた、between right and right の中でどちらを選択するのかという質問をされます。NHKでやっていたマイケル・サンデル先生を思い出します。
昨日の授業では、こんなことを聞かれました。
「あなたは、小さなコンサルティング会社の経営者です。従業員を雇おうと思い、何人も面接して、ようやく、サーラという女性を雇うことに決めました。サーラに、口頭で内定を約束しました。そして、来週の月曜日から働いてもらうことにしました。しかし、そのあと、あなたの友人から、いい人がいるから会わないかと言われました。会うだけならといって、キムという女性に会いました。そうすると、キムは大変すばらしい女性で、あなたがまさに探し求めていた人材でした。経験豊富で、顧客とのネットワークもあります。さて、この状況で、あなたは、どうしますか?」
このままサーラを雇うのか、それともサーラを断ってキムを雇うのか。どちらも、違法性はありません。一般的に言って、倫理的には、サーラを雇うべきでしょう。しかし、会社の将来を考えると、キムを雇うべきでしょう。
授業では、それまでに習ったアリストテレス、カント、ベンサムの理論を使って、この答えを考えました。授業では、倫理学の、3つの教えについて習いました。
1) Duty
個人は尊重されなければならない。個人は、それ自体に存在意義があり、人を手段とみなしてはいけない。この理論を用いると、人を手段として考えてはいけないので、サーラへの約束を尊重して、サーラを雇うことの方が理にかなっていることになります。
2) Consequence
ベンサムに代表される「最大多数の最大幸福」です。個人の幸福の総計が社会全体の幸福であり、それを最大化すべきであるという考え方です。これを使うと、キムを雇って、会社を成功させて、顧客に、より高い価値のサービスを提供することで、幸福を最大化することができるという理屈も考えられます。
3) Character
アリストテレスの、「道徳的な徳は習慣から得られる」という考え方です。毎日毎日良いことをしていると、それが習慣になり、それが私たちの性格になるという意味です。即時の判断が求められる時、普段から良いことをしている人は、即時に良い判断ができるのです。(ここでいう「良い」とは、rightの訳です。)さらに、この良い性格は、世間でも良いという評判を受けることになり、社会と良好な関係を築けます。継続の大事さを感じます。
どの理論も、なんだか、立派なことを言っていて、まさに道徳を習っている感じです。こういった道徳をもとに行動すれば、たとえ、サーラを雇おうと、キムを雇おうと、倫理的な裏付けができ、心理的な安心感に浸ることができるのかもしれません。
ここまでが序盤で、次に出てくるのが、マキャベリです。マキャベリの「君主論」という名前だけは、世界史で習ったので、聞き覚えがありましたが、内容は知りませんでした。そして、それは、かなり興味深いものでした。
「君主は、領域を守るため、人が尊重されるという決まりを守ることはできないし、信条や友人関係、人間性、宗教に反した行いをせざるを得ない。」
「しかし、君主は慈悲深く、信条に厚く、人間性があり、高貴で、信仰に厚いように、見せかけなければならない」
人は、良い人ばかりではありません。悪い人もたくさんいます。その人たちの上に立つものは、それだけたくさんの人を治めて行くうえで、悪いことをせざるをえないのです。しかし、見た目は良い人でなくてはならないのです。
先に述べた、カント、ベンサム、アリストテレスの考え方が打ち砕かれる感じがしました。
ということで、これらの考えを知ったうえで、私たちは、正義と正義のジレンマの中で、様々な決断をしていかなくてはいけないのです。
さて、文字ばかりで退屈な投稿になってしまったので、先週末に行ったニューハンプシャーのWelch-Dickey-Loopの登山の写真です。ボストンから車で2時間の山です。本格的登山6時間のコースです。2年生が企画してくれました。
こんな岩の間を抜けながら登ります。
ファンガス?苔に似てます。ふわふわしてます。岩のいたるところに生えていました。
崖に向かって歩く私。
あと1か月もすると、この岩の表面は氷で覆われるそうです。去年は、氷の山の登山をしたらしい。。恐ろしいです。
夜は、ローカルなアメリカンレストランに行きました。
まずは、みんなで、チキンとチーズフライをシェア。この真ん中のグラタンみたいなのが意外と美味しかったです。
食べたのは、チキンキエフ。どうやら、ロシア料理みたいです。フライの中身は、チキンです。
そのチキンの中から、ガーリックとバターとハーブがじゅわっと出てきます。コンセプトは、とても美味しい料理なので、これを日本風にアレンジしたら、絶対に美味しい料理になると思いました。
さて、本日木曜日なので、あと一日。毎日かなりヘビーな生活です。現在夜中の1時。これから、法律の本を40ページ読みます。今更ながら、大学受験時代に本で見た、パラグラフ・リーディングの速読法を試しています。
私のお気に入りの授業は二つあります。ESR(倫理)とLDO(リーダーシップ論)です。今日は、ESRについて書こうと思います。
ESRとはEthics and Social Responsibility Streamで、倫理と社会的責任(社会正義)というクラス名です。正直、最初の印象としては、今や当たり前となった企業の社会的責任(CSR)とかをやる授業かなあと思っていました。ところが、哲学者・思想家の理論を読みながら、いろいろな人間関係のケースを読むとても興味深い授業です。
日本語で読んでも難しい文献を英語で読んでいるので、もしかしたら、解釈に誤解があるかもしれません。でも、私の感じたことして記しておこうと思います。
授業では、上に書いた、between right and right の中でどちらを選択するのかという質問をされます。NHKでやっていたマイケル・サンデル先生を思い出します。
昨日の授業では、こんなことを聞かれました。
「あなたは、小さなコンサルティング会社の経営者です。従業員を雇おうと思い、何人も面接して、ようやく、サーラという女性を雇うことに決めました。サーラに、口頭で内定を約束しました。そして、来週の月曜日から働いてもらうことにしました。しかし、そのあと、あなたの友人から、いい人がいるから会わないかと言われました。会うだけならといって、キムという女性に会いました。そうすると、キムは大変すばらしい女性で、あなたがまさに探し求めていた人材でした。経験豊富で、顧客とのネットワークもあります。さて、この状況で、あなたは、どうしますか?」
このままサーラを雇うのか、それともサーラを断ってキムを雇うのか。どちらも、違法性はありません。一般的に言って、倫理的には、サーラを雇うべきでしょう。しかし、会社の将来を考えると、キムを雇うべきでしょう。
授業では、それまでに習ったアリストテレス、カント、ベンサムの理論を使って、この答えを考えました。授業では、倫理学の、3つの教えについて習いました。
1) Duty
個人は尊重されなければならない。個人は、それ自体に存在意義があり、人を手段とみなしてはいけない。この理論を用いると、人を手段として考えてはいけないので、サーラへの約束を尊重して、サーラを雇うことの方が理にかなっていることになります。
2) Consequence
ベンサムに代表される「最大多数の最大幸福」です。個人の幸福の総計が社会全体の幸福であり、それを最大化すべきであるという考え方です。これを使うと、キムを雇って、会社を成功させて、顧客に、より高い価値のサービスを提供することで、幸福を最大化することができるという理屈も考えられます。
3) Character
アリストテレスの、「道徳的な徳は習慣から得られる」という考え方です。毎日毎日良いことをしていると、それが習慣になり、それが私たちの性格になるという意味です。即時の判断が求められる時、普段から良いことをしている人は、即時に良い判断ができるのです。(ここでいう「良い」とは、rightの訳です。)さらに、この良い性格は、世間でも良いという評判を受けることになり、社会と良好な関係を築けます。継続の大事さを感じます。
どの理論も、なんだか、立派なことを言っていて、まさに道徳を習っている感じです。こういった道徳をもとに行動すれば、たとえ、サーラを雇おうと、キムを雇おうと、倫理的な裏付けができ、心理的な安心感に浸ることができるのかもしれません。
ここまでが序盤で、次に出てくるのが、マキャベリです。マキャベリの「君主論」という名前だけは、世界史で習ったので、聞き覚えがありましたが、内容は知りませんでした。そして、それは、かなり興味深いものでした。
「君主は、領域を守るため、人が尊重されるという決まりを守ることはできないし、信条や友人関係、人間性、宗教に反した行いをせざるを得ない。」
「しかし、君主は慈悲深く、信条に厚く、人間性があり、高貴で、信仰に厚いように、見せかけなければならない」
人は、良い人ばかりではありません。悪い人もたくさんいます。その人たちの上に立つものは、それだけたくさんの人を治めて行くうえで、悪いことをせざるをえないのです。しかし、見た目は良い人でなくてはならないのです。
先に述べた、カント、ベンサム、アリストテレスの考え方が打ち砕かれる感じがしました。
ということで、これらの考えを知ったうえで、私たちは、正義と正義のジレンマの中で、様々な決断をしていかなくてはいけないのです。
さて、文字ばかりで退屈な投稿になってしまったので、先週末に行ったニューハンプシャーのWelch-Dickey-Loopの登山の写真です。ボストンから車で2時間の山です。本格的登山6時間のコースです。2年生が企画してくれました。
こんな岩の間を抜けながら登ります。
ファンガス?苔に似てます。ふわふわしてます。岩のいたるところに生えていました。
崖に向かって歩く私。
あと1か月もすると、この岩の表面は氷で覆われるそうです。去年は、氷の山の登山をしたらしい。。恐ろしいです。
夜は、ローカルなアメリカンレストランに行きました。
まずは、みんなで、チキンとチーズフライをシェア。この真ん中のグラタンみたいなのが意外と美味しかったです。
食べたのは、チキンキエフ。どうやら、ロシア料理みたいです。フライの中身は、チキンです。
そのチキンの中から、ガーリックとバターとハーブがじゅわっと出てきます。コンセプトは、とても美味しい料理なので、これを日本風にアレンジしたら、絶対に美味しい料理になると思いました。
さて、本日木曜日なので、あと一日。毎日かなりヘビーな生活です。現在夜中の1時。これから、法律の本を40ページ読みます。今更ながら、大学受験時代に本で見た、パラグラフ・リーディングの速読法を試しています。
2010年9月12日日曜日
モジュール1
月曜日から、モジュール1が始まりました。
バブソン大学MBAでは、1年間を4つの区分に分けて、それぞれをモジュールと呼んでいます。おそらく、どこのビジネススクールも同じような呼び方をしていると思います。モジュール1は、9月に始まり10月末のテストで終了します。そして、その後、今度はモジュール2が始まるという仕組みです。
モジュール1は、完全に固定のクラスで座席も固定、科目もすべて必修で、選択の余地はありません。内容は、ビジネスの基礎的なところ(会計、法律)、それからソフトスキル(倫理、リーダーシップ、コミュニケーション、クリエイティビティ)を学びます。このソフトスキルにすごく力点を置いている姿勢が、バブソンらしいのではないかと感じています。
どんなにビジネスの知識があって、頭がよくても、それだけでは起業家として成功できません。確固たる倫理観を持ち、様々な人と円滑なコミュニケーションをとりながら、リーダーシップを発揮し、かつクリエイティビティーがあって、初めて成功の可能性が高まります。
ということで、この1週間、授業を受けていて感じたことです。
1) Speak Out!!
授業はすべて学生の意見主導で進んでいきます。まずは、教授が質問を投げかけてきます。そんなに難しいことは聞いてきません。すごく曖昧なことを聞いてくることが多いです。なので、遠慮せずに、自分の意見を自由に語ります。正直、はじめは手を上げるのに勇気を要しましたが、2,3回挙げると、慣れてきます。考えがあったら、とにかくSpeak Out!!このあたりの空気をあまり読まなくていいところは、日本よりやりやすいです。間違えたことを言っても、黙殺されません。そして、意見を言うと、それに対して教授がするどい指摘をしてきます。たとえば、こんな感じです。
教授「あなたが、ウェルズリー(バブソン大学がある街)にマクドナルドの店舗を立ち上げたとする。あなたは、アントレプレナーと言えるか?」
私「私がDecision Makingをして、私がすべての責任をとる、という前提で立ち上げるのであれば、アントレプレナーと言えると思う」
教授「リーダーは、Decision Makingをして、すべての責任をとると思うか?」
私「はい。」
教授「じゃあ、アントレプレナーとリーダーの違いは?」
こうして授業が進んでいきます。空間が生き生きとしています。
2) 無理です
宿題多すぎます。正直、これを全部完璧にこなすのは無理です。
そうです。これは無理と割り切って、完璧ではなく、効果的にやることを考えなくてはいけません。前職でお世話になったアメリカ人の上司の言葉を思い出します。"Don't work hard. Work smart."
宿題は、すべて事前にインターネット上に公開されています。私の場合は、これをOutlookのタスクに入れて一元管理しています。達成度を入力しながら、1週間ごとに宿題マネジメントをしています。さながら、プロジェクトマネジメントです。そうなんです。これは、仕事と思ってやったほうがいいと感じています。優先順位をつけて、重要と思ったことに時間をかけます。
3) 変なことするなー。そして重力100倍。
バブソンのモジュール1では、変なこともたくさんします。あんまり言うと、ネタバレになって、来年以降入学される方に申し訳ないので、適度にとどめておきますが。たとえば、ジグソーパズルをしたり、絵を描いたり、40分間も目隠しさせられたりetc。変なことそれぞれに、ちゃんとメッセージがあります。共通して言えるのは、チームワークを養うこと。一人ではできないことを、どうやってグループで行うか。衝突、妥協、遠慮、様々な動きがおきます。
正直、英語でこういったアクティビティーを行うと、速い英語が聞き取れなかったり、すぐに言葉が出てこなくて、もどかしい思いをします。ただ、これがいい訓練だと思っています。ドラゴンボールで、孫悟空が何故、重力100倍の宇宙船で修行をしたのか?精神と時の部屋は何故、空気がうすいのか(通常の4分の1)?それは、あえて自分に負荷をかけるため。そういう意味で、この英語でのトレーニングには、通常のトレーニング以上の意味合いがあります。
というわけで、1週間が終わると、晴れ晴れとした気持ちになります。週末は、ニューヨークにて、ゼミの同期のHGW氏と再会。あれやこれやと近況をアップデートしあいながら、エンパイヤーステートビルに上りました。86階から、外に出て眺める摩天楼のマンハッタンは美しかったです。
そして、そのあと、シティフィールドでニューヨーク・メッツ戦も観戦しました。相手は、フィラデルフィア・フィリーズ。シティフィールドは、ボストンのフェンウェイパークに比べると、巨大な新しいスタジアムで、大画面を使った演出も面白く、楽しめました。
��-3で1点リードで迎えた9回表。ピッチャー交代で出てきたのは、なんと、日本人投手!高橋尚成!HGW氏と二人で盛り上がります。外人のおばちゃんが隣の隣の隣で、「タカハシー!」と叫ぶと、我々二人の興奮はマックスに。立ち上がって応援しました。そして、そのあと無事、無失点に抑えてメッツの勝利!日本人がこうしてアメリカの大舞台で活躍しているのを生で見ると、強く心を打たれます。
本日、日曜日、ボストンに帰ってきました。チャイナタウンで台湾ラーメンを食べながら、気持ちを緊張の平日モードに調整。楽しいひと時が終わった後は、寂しさと明日への不安が残ります。でも、そんなものに負けてはなりません。気合を入れて、次の1週間も頑張ります!
バブソン大学MBAでは、1年間を4つの区分に分けて、それぞれをモジュールと呼んでいます。おそらく、どこのビジネススクールも同じような呼び方をしていると思います。モジュール1は、9月に始まり10月末のテストで終了します。そして、その後、今度はモジュール2が始まるという仕組みです。
モジュール1は、完全に固定のクラスで座席も固定、科目もすべて必修で、選択の余地はありません。内容は、ビジネスの基礎的なところ(会計、法律)、それからソフトスキル(倫理、リーダーシップ、コミュニケーション、クリエイティビティ)を学びます。このソフトスキルにすごく力点を置いている姿勢が、バブソンらしいのではないかと感じています。
どんなにビジネスの知識があって、頭がよくても、それだけでは起業家として成功できません。確固たる倫理観を持ち、様々な人と円滑なコミュニケーションをとりながら、リーダーシップを発揮し、かつクリエイティビティーがあって、初めて成功の可能性が高まります。
ということで、この1週間、授業を受けていて感じたことです。
1) Speak Out!!
授業はすべて学生の意見主導で進んでいきます。まずは、教授が質問を投げかけてきます。そんなに難しいことは聞いてきません。すごく曖昧なことを聞いてくることが多いです。なので、遠慮せずに、自分の意見を自由に語ります。正直、はじめは手を上げるのに勇気を要しましたが、2,3回挙げると、慣れてきます。考えがあったら、とにかくSpeak Out!!このあたりの空気をあまり読まなくていいところは、日本よりやりやすいです。間違えたことを言っても、黙殺されません。そして、意見を言うと、それに対して教授がするどい指摘をしてきます。たとえば、こんな感じです。
教授「あなたが、ウェルズリー(バブソン大学がある街)にマクドナルドの店舗を立ち上げたとする。あなたは、アントレプレナーと言えるか?」
私「私がDecision Makingをして、私がすべての責任をとる、という前提で立ち上げるのであれば、アントレプレナーと言えると思う」
教授「リーダーは、Decision Makingをして、すべての責任をとると思うか?」
私「はい。」
教授「じゃあ、アントレプレナーとリーダーの違いは?」
こうして授業が進んでいきます。空間が生き生きとしています。
2) 無理です
宿題多すぎます。正直、これを全部完璧にこなすのは無理です。
そうです。これは無理と割り切って、完璧ではなく、効果的にやることを考えなくてはいけません。前職でお世話になったアメリカ人の上司の言葉を思い出します。"Don't work hard. Work smart."
宿題は、すべて事前にインターネット上に公開されています。私の場合は、これをOutlookのタスクに入れて一元管理しています。達成度を入力しながら、1週間ごとに宿題マネジメントをしています。さながら、プロジェクトマネジメントです。そうなんです。これは、仕事と思ってやったほうがいいと感じています。優先順位をつけて、重要と思ったことに時間をかけます。
3) 変なことするなー。そして重力100倍。
バブソンのモジュール1では、変なこともたくさんします。あんまり言うと、ネタバレになって、来年以降入学される方に申し訳ないので、適度にとどめておきますが。たとえば、ジグソーパズルをしたり、絵を描いたり、40分間も目隠しさせられたりetc。変なことそれぞれに、ちゃんとメッセージがあります。共通して言えるのは、チームワークを養うこと。一人ではできないことを、どうやってグループで行うか。衝突、妥協、遠慮、様々な動きがおきます。
正直、英語でこういったアクティビティーを行うと、速い英語が聞き取れなかったり、すぐに言葉が出てこなくて、もどかしい思いをします。ただ、これがいい訓練だと思っています。ドラゴンボールで、孫悟空が何故、重力100倍の宇宙船で修行をしたのか?精神と時の部屋は何故、空気がうすいのか(通常の4分の1)?それは、あえて自分に負荷をかけるため。そういう意味で、この英語でのトレーニングには、通常のトレーニング以上の意味合いがあります。
というわけで、1週間が終わると、晴れ晴れとした気持ちになります。週末は、ニューヨークにて、ゼミの同期のHGW氏と再会。あれやこれやと近況をアップデートしあいながら、エンパイヤーステートビルに上りました。86階から、外に出て眺める摩天楼のマンハッタンは美しかったです。
そして、そのあと、シティフィールドでニューヨーク・メッツ戦も観戦しました。相手は、フィラデルフィア・フィリーズ。シティフィールドは、ボストンのフェンウェイパークに比べると、巨大な新しいスタジアムで、大画面を使った演出も面白く、楽しめました。
��-3で1点リードで迎えた9回表。ピッチャー交代で出てきたのは、なんと、日本人投手!高橋尚成!HGW氏と二人で盛り上がります。外人のおばちゃんが隣の隣の隣で、「タカハシー!」と叫ぶと、我々二人の興奮はマックスに。立ち上がって応援しました。そして、そのあと無事、無失点に抑えてメッツの勝利!日本人がこうしてアメリカの大舞台で活躍しているのを生で見ると、強く心を打たれます。
本日、日曜日、ボストンに帰ってきました。チャイナタウンで台湾ラーメンを食べながら、気持ちを緊張の平日モードに調整。楽しいひと時が終わった後は、寂しさと明日への不安が残ります。でも、そんなものに負けてはなりません。気合を入れて、次の1週間も頑張ります!
2010年9月2日木曜日
ビジネスシュミレーションの3日間
ユーフォリア、レダッカ、ニホーノ。どこの国でしょうか?
答えは、架空の国です。。
水、木、金と3日間に渡り、この架空の国で、架空の製品を販売して、チームで業績を競うビジネスシュミレーションを行いました。TechMarkという名前のビジネス学習のパッケージです。5期に渡って、製品を生産、販売し、それぞれの期ごとに業績が発表され、次の戦略を考えます。期ごとの業績の発表の前に、オペレーションの教授による、90分のレクチャーが行われます。そこで、これから1年間で学ぶ内容の紹介をしてもらいます。これにより、学ぶ内容とシュミレーションによる実践が連携して、これからの1年に興味が沸いてくる、という素晴らしい内容でした。そして、業績がチームごとに発表されるので、競争による盛り上がりも味わえます。
私のチームは、超インターナショナル。チリ2名、イスラエル1名、台湾1名、アメリカ1名、日本1名でした。競合は、他4チーム。3つの商品をそれぞれ、どこの国でどれだけ生産して、どこの国にいくらでどれだけ売るか、その際の営業やプロモーションにいくらお金をかけるかを一つ一つ決めていきます。それぞれの項目を入力すると、競合チームも項目を入力しているので、それらが計算され、実際にどれだけ売れたかが発表されます。マーケットシェアを始め、バランスシートや損益計算書も作成されます。
モノを生産し、販売するという経験は今までの職歴になかったので、いろいろな発見がありました。おそらく、これらの発見は、非常に当たり前のことなのですが、実感を伴った発見だったので、私にとっては大きかったです。特に以下の3つについて明記します。
1) R&D(研究開発)の重要性
消費者のトレンドは常に変わります。すなわち、売れている商品をそのまま次の期で売ろうとしても、消費者の性向は各期ごとに変化していくので、同じように売れるわけではありません。そのために、研究開発にお金をかけて、消費者トレンドに合った商品を作っていきます。少し、先取りをしたトレンドを読むことで、競合を出し抜く、そんな戦略もありです。もちろん、多額の費用がかかるので、いくらまでかけられるのか計算が必要です。少額だと開発に失敗します。ちなみに、研究開発はCapitalizeされないので、投資ではなく、費用です。
2)生産コストの削減
どこで、どれだけ、製品を生産するか、これが生産コストを下げるキーでした。(実際のビジネスでは、もっと要素があると思いますが。)「どこで」というのは、労働力が廉価なところ、そして、販売地に近いところを選べば、コストが削減されます。「どれだけ」というのは、規模の経済です。多く作れば作るほど、単価が下げられます。
3)在庫の調整
これが、一番の発見でした。在庫はできるだけ残さないほうがいい。でも、0にしてしまうと、せっかくの販売チャンスを逃し、競合にマーケットシェアを奪われてしまう。ということなのです。iPhone4の例がわかりやすいです。どこの店に行っても今は品切れです。生産数を調整して、在庫をコントロールし、製品にプレミアムを持たし、ちゃんと売り切る、すごいなあと思います。そういえば、昔たまごっちが品薄で、価格高騰した後、一気に生産数を増やして、売れ残りが大量に出て失敗した例を思い出しました。
私のチームは、ある製品でマーケットシェアを50%近く持っていました。ので、大量に生産をしましたが、案の定、在庫がかなり増えてしまいました。そこで、生産をやめて、在庫を売っていくという作戦に切り替えました。本当の世界では、この生産ストップは、工場でのリストラにつながるのでしょう。在庫循環が景気循環に影響を及ぼすという意味が感じられました。
さて、業績の結果ですが、私のチームは見事勝利しました!
勝因は、2つ。まず、在庫調整が最後にうまくいき、ターゲットである棚卸資産の全資産に占める割合を、4%から9%の範囲に抑えたこと。あとは、チームでの話し合いの際、きちんと話し合う内容を統一して、タイムマネジメントができたことだと思います。ちなみに、私は書記やりました。
夜は、ハリケーンが来ていたので、外には出ずに、寮でカレー作りました。近くのスーパーで、日本のカレー売ってたので、完全に日本と同じ味のカレーが作れました。
答えは、架空の国です。。
水、木、金と3日間に渡り、この架空の国で、架空の製品を販売して、チームで業績を競うビジネスシュミレーションを行いました。TechMarkという名前のビジネス学習のパッケージです。5期に渡って、製品を生産、販売し、それぞれの期ごとに業績が発表され、次の戦略を考えます。期ごとの業績の発表の前に、オペレーションの教授による、90分のレクチャーが行われます。そこで、これから1年間で学ぶ内容の紹介をしてもらいます。これにより、学ぶ内容とシュミレーションによる実践が連携して、これからの1年に興味が沸いてくる、という素晴らしい内容でした。そして、業績がチームごとに発表されるので、競争による盛り上がりも味わえます。
私のチームは、超インターナショナル。チリ2名、イスラエル1名、台湾1名、アメリカ1名、日本1名でした。競合は、他4チーム。3つの商品をそれぞれ、どこの国でどれだけ生産して、どこの国にいくらでどれだけ売るか、その際の営業やプロモーションにいくらお金をかけるかを一つ一つ決めていきます。それぞれの項目を入力すると、競合チームも項目を入力しているので、それらが計算され、実際にどれだけ売れたかが発表されます。マーケットシェアを始め、バランスシートや損益計算書も作成されます。
モノを生産し、販売するという経験は今までの職歴になかったので、いろいろな発見がありました。おそらく、これらの発見は、非常に当たり前のことなのですが、実感を伴った発見だったので、私にとっては大きかったです。特に以下の3つについて明記します。
1) R&D(研究開発)の重要性
消費者のトレンドは常に変わります。すなわち、売れている商品をそのまま次の期で売ろうとしても、消費者の性向は各期ごとに変化していくので、同じように売れるわけではありません。そのために、研究開発にお金をかけて、消費者トレンドに合った商品を作っていきます。少し、先取りをしたトレンドを読むことで、競合を出し抜く、そんな戦略もありです。もちろん、多額の費用がかかるので、いくらまでかけられるのか計算が必要です。少額だと開発に失敗します。ちなみに、研究開発はCapitalizeされないので、投資ではなく、費用です。
2)生産コストの削減
どこで、どれだけ、製品を生産するか、これが生産コストを下げるキーでした。(実際のビジネスでは、もっと要素があると思いますが。)「どこで」というのは、労働力が廉価なところ、そして、販売地に近いところを選べば、コストが削減されます。「どれだけ」というのは、規模の経済です。多く作れば作るほど、単価が下げられます。
3)在庫の調整
これが、一番の発見でした。在庫はできるだけ残さないほうがいい。でも、0にしてしまうと、せっかくの販売チャンスを逃し、競合にマーケットシェアを奪われてしまう。ということなのです。iPhone4の例がわかりやすいです。どこの店に行っても今は品切れです。生産数を調整して、在庫をコントロールし、製品にプレミアムを持たし、ちゃんと売り切る、すごいなあと思います。そういえば、昔たまごっちが品薄で、価格高騰した後、一気に生産数を増やして、売れ残りが大量に出て失敗した例を思い出しました。
私のチームは、ある製品でマーケットシェアを50%近く持っていました。ので、大量に生産をしましたが、案の定、在庫がかなり増えてしまいました。そこで、生産をやめて、在庫を売っていくという作戦に切り替えました。本当の世界では、この生産ストップは、工場でのリストラにつながるのでしょう。在庫循環が景気循環に影響を及ぼすという意味が感じられました。
さて、業績の結果ですが、私のチームは見事勝利しました!
勝因は、2つ。まず、在庫調整が最後にうまくいき、ターゲットである棚卸資産の全資産に占める割合を、4%から9%の範囲に抑えたこと。あとは、チームでの話し合いの際、きちんと話し合う内容を統一して、タイムマネジメントができたことだと思います。ちなみに、私は書記やりました。
夜は、ハリケーンが来ていたので、外には出ずに、寮でカレー作りました。近くのスーパーで、日本のカレー売ってたので、完全に日本と同じ味のカレーが作れました。
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