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左上から、Twitter、Google、Apple、Facebook。 Zappos、Plug and Play Tech Centerは次回の投稿で。 |
共通点は、「遊びの文化」でした。日本の企業からしたら、ふざけてるだろ!と怒られてしまうのではないかと心配なほど、遊びの要素が取り入れられています。
そんな遊びの空間で、一流のエンジニアさんたちが、短い労働時間で、新しいことを考え、新しいビジネスを創り出しているのです。
では、シリコンバレーで働くエンジニアさんたちは、日本で働くエンジニアさんたちと決定的な実力の差があるのでしょうか?
何人かのエンジニアさんにお伺いしましたが、日本のエンジニアさんは、すごい実力を持っているけど、企業の中でそれを生かしきれていないというのが一つの見解のようです。
では、シリコンバレーは何が違うのでしょうか?
私の感じたところによると次の3つが大きく影響しているようです。
(1)クリエイティブな発想を促す環境
楽しそうなGoogleの受付 |
AppleやGoogleでは、働く場所を「オフィス」と呼ばず、「キャンパス」と呼びます。広大な敷地内には、近代的な建物が点在し、その中を自転車で移動します。
Google キャンパスに置かれた自転車 |
中には、ビーチバレーコートがあったり、フラミンゴにかじられている(?)恐竜がいたり、ユニークな石像が点在していたり、テーマパークのようになっています。
フラミンゴにかじられている(?)恐竜 |
ユニークな石像が点々と |
また、建物の中には、アーケードゲームのコーナーがあったり、ビリヤードができたり、Google Earthを体感できるマシーンがおいてあります。
Google Earth 体験マシーン 軽快な動きで、宇宙から都市に接近! そして、都市をの中を自由に旋回!! |
いたるところに、おやつや飲み物がおいてあり、すべて無料!訪問者の我々ももらい放題。レッドブルから、伊藤園のお茶、シリアルバーまで、「ほんとにいいんですか!?」ってくらい、もらいほうだいです。さらに、カフェテリアに行けば、これまたすべて無料でなんでも食べられます。
創造的デザイン空間で、至れり尽くせり。これなら、素人の私でも、新しいGoogleのサービスを思いついちゃうかも(なんてことはないですが。。。)というくらい、クリエイティブマインドが刺激されます。
この環境の中で、エンジニアさんたちの実力はクリエイティブに、思う存分発揮されるのではないかと思いました。
(2)仕事に没頭できる仕組み
急成長の Twitter のオフィス |
各企業で、エンジニアさんとお話して思ったのが、仕事を心底、楽しんでいるなーということです。Apple社のエンジニアさんは、Appleの製品が大好きで入社したとおっしゃっていました。Twitter社のエンジニアさんに、長時間コンピューターを見て疲れないですか?と伺うと、仕事が楽しいから疲れないとおっしゃっていました。
みなさん、自分の大好きな仕事に没頭されているのです。
Twitter の受付の装飾 |
で、重要なのは、自分の仕事に没頭できる環境があるということなのだと思いました。エンジニアリングについて全くの素人の私ですが、どうやら、次の2点が大きくかかわっているようです。
・サポート体制がしっかりしている
PCの調子が悪くなったら、すぐにサポートチームが来てくれて、代わりのPCを用意してくれるそうです。
・マインドの違い
アメリカでは、新製品の多少の不具合は無視して、新しい機能の開発を優先するそうです。また、Googleでは、専門的にバグつぶしのチームがあり、そのおかげで、開発サイドのスピードを滞らせずにすんでいるともおうかがいしました。
(3)現場主義の経営
Twitter オフィス内の駐輪場 |
シリコンバレーの経営者の特徴として、本人たちも、現場出身であることが多いとあげられると思います。
なんと、今回の訪問で、Appleのスティーブ・ジョブズ氏、Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏、Twitterのディック・コストロ氏、Zapposのトニー・シェイ氏に、社内で遭遇しました。みなさん、普通に会社にいらっしゃいました。
ジョブズ氏は、ご病気だと聞いていたのですが、普通にカフェテリアでランチをとられていたので、驚きました。映画にもなったザッカーバーグ氏は、会議中にもかかわらず、手を振ってくれました。トニー・シェイ氏は、緑色のタキシードをまとい、お祭り模様でした。
Zappos の CEO トニー・シェイ氏のデスク ジャングルのインテリアでモンキー通り (Monkey Row) と呼ばれている |
まさに、顔の見える経営です。シリコンバレーでは、手を動かせるエンジニアの地位が非常に高いと聞きました。それに比べ、いわゆるビジネスマンの地位は低いとか。なので、社長も自らが現場でみんなといっしょに働くという風土が当たり前になっています。
百聞は一見にしかず。これらの企業については、いくら本で読んでも、これは大げさに書いてるんだろとか、実感がわかないことが多いと思います。今回の訪問で、今まで読んだり聞いたりしてきたことが、本当だった、あるいは予想以上だったということを体感できました。
この遊びの企業文化を、そのまま日本の企業に当てはめるのは極めて難しいと思います。しかし、この企業文化を作り上げる遊びのマインドを持つことで、日本の企業も、もっともっとイノベーションを起こしていけるのではないかと思いました。そして、前回紹介した象の柵を飛び越えることができるかもしれません。
ということで、次回は、シリコンバレーに学ぶ「新しい可能性」について書こうと思っています!