常識を打ち破れ
まず、第1の、「日本流のサービスとアメリカ型の経営の融合」についての学びですが、正直、経営に関しては、3ヶ月という短い期間でしたので、深く携わることはできませんでした。ただ、アメリカ人の嗜好に関する、沢山の発見をすることができました。そして、それは、私の常識を打ち砕く、毎日が驚きの連続でした。アメリカ人(一括りにしていますが、レストランがターゲットとしていたボストンのアメリカ人に限定)は、寿司というと、カリフォルニアロールに代表されるロールスシを指します。そして、魚の味を消してしまうくらい、醤油やスパイシーマヨネーズ、うなぎのたれをつけて食べます。いわば、ソースの味を楽しんでいます。これは、日本人の感覚からすると、「邪道」だし、なんだか、残念な気持ちになります。しかし、これが、彼らの食べ方であり、これで、美味しいと喜んでいただけるのであれば、それがここでのホスピタリティー(おもてなし)なのです。生魚の美味しさを伝えようとして、それを押し付けてしまうのは、自己満足に他なりません。だから、頭を柔らかく、心を広くもたなくてはなりません。
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アメリカ人に人気のスパイシーマヨネーズがかかったロール寿司 |
これに、気づくのに、僕は時間がかかりました。しかし、時間をかけて、生魚の美味しさは伝えていくことも大事だと思っています。全員に受け入れられる必要はないのですが、きっと興味のあるお客様もいます。そういうチャンスを拾っていくのが文化の伝播であり、ビジネスにもなるのでしょう。また、この「邪道」から新しいチャンスが生まれることもあるのです。30年前、西海岸でカリフォルニアロールが作られたとき、それは邪道だったでしょう。しかし、今や、アメリカの市民権を得て、堂々とSushiの代表になっています。
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Best of Boston 2011に輝いた某レストラン の寿司の上にはイチゴが。。。 この「邪道」もやがてスタンダードになるかもしれない |
仕事に対する魂
第2の「現場での感覚を養う」という目的ですが、こちらは、かなり達成できたと思っています。一般的に、インターンというと、責任・権限のない傍観者的なポジションであることが多いです。しかし、小さなスタートアップビジネスであるが故、キッチンマネジメントという責任・権限を与えていただきました。冷や汗をかきながら、危機を乗り越えたり、時には、失敗をして会社にコストをかけてしまったこともありました。しかし、こういった経験が、私の仕事に対する魂を呼び覚ました。働くことは、楽しいことです。特に、私は、こうした人間と人間が日々ふれあう仕事が好きです。その気持ちを再確認できたことが大きな収穫だと思っています。
起業家精神の神髄
第3の「起業家精神にどっぷりと浸かる」ですが、オーナーさんの口癖でとても印象に残った言葉があります。私が、インターンを始めてすぐの頃、何かは忘れましたが、「これはできないかもしれないです」と言いました。そうすると、オーナーさんはこう返しました。「『できない』じゃなくて、『どうやったらできるか』を考えるのが経営者なんだよ」と。これを聞いたとき、僕の背中に戦慄が走りました。これこそ、起業家精神の神髄なのではないかと思いました。レストラン自体は、スタートアップですので、すべてが初めてで、わからないことばかりでした。だから、「どうやったらできるか」を考えなくては、前に進めないのです。そして、そこには、必ず、答えがあるのです。
本当に、たくさんのことがあったので、ここに書いたことは、学びのごくわずか一部分です。これらの経験をさせていただきました、オーナーさんを始めとする、レストラン関係者様には、大変お世話になりました。この経験をとおして、自分に足りていないことや、今の日本のホスピタリティービジネスに足りていないこと、を発見することができました。これらを課題にすることにより、2年目のビジネススクールでの勉強のフォーカスが定まりました。そして、先週より、いよいよ2年目がスタートしました。今後も、思ったこと、感じたこと、学んだことをアップしていこうと思います。
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最終日にみんなが作ってくれたロブスタースープのまかない 自腹で買ってきてくれた3500グラムの活きたロブスターが調理された 美味しさと感謝の気持ちで感動しました! |
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