2010年12月23日木曜日

チーム・ダイナミクス

バブソン大学MBAのユニークなプログラムの一つに、BCAPというプロジェクトがあります。Babson Consulting Alliance Programの略です。学生が、5-7人のチームに割り振られ、そのチームで、実際に存在している企業のコンサルティング業務を行うのです。このコンサル業務を通じて、日々の机の上の勉強を実際の現場に応用する力を養おうというもくろみです。

BCAPは、大きく分けて2本立てです。前期は、スポンサー企業(BCAPではクライアント企業をスポンサーと呼んでいます。)の産業分析。後期は、スポンサー企業から与えられるお題に取り組みます。

プロジェクト中、部屋は紙だらけ


私のBCAPチームは、5人編成です。アメリカ人3人。中国人(マカオ)1人。そして日本人の私です。バックグラウンドは、不動産が2人とホスピタリティーが2人です。全員の興味は、消費者向けサービスです。そこで、学校から割り当てられたのが、ジュースの会社です。アメリカでは、かなり大きなマーケットシェアを持っている会社で、日本にも進出しています。そして、秋学期は、ジュース業界の産業分析を行いました。その分析をもとにレポートを作成し、教授5人の前で30分のプレゼンテーションをするという課題でした。

今回は、この作業に伴うチームワークについて書こうと思います。

チームワークにおいて起こる諸々の事象をTeam Dynamicsと呼んでいます。このTeam Dynamicsがチームワークのパフォーマンスのカギだと思っています。今回のBCAPを通じて、Team Dynamicsについて3つのことを考えました。

1)生産性・効率性 vs 雰囲気

長期にわたるチームワークでは、生産性や効率性も重要ですが、なんといっても、いっしょにいて楽しいとか充実してるって思えることが大事だと思うのです。この雰囲気の向上のために、自分は何ができるか考えるようにしていました。

まず、当然ですが、愚痴を言わないようにするというのは、シンプルですが、大事です。気持ち的に、負のスパイラルを巻き起こすような発言は自分からしないし、他人がした場合は、それを正のスパイラルに巻き戻すような発言を自らするようにしました。レポート作成時は、朝の6時半までかかったのですが、このとき、私のチームは最後まで雰囲気が良かったのです。これは、負のスパイラルを起こさなかったことに起因していると思います。

また、これは、生産性を犠牲にする可能性があるのですが、議題から話がそれたときに、ある程度それた話にも付き合うということも自分の中で意識して行いました。これは、限られた時間の中の会議では有効ではないと思います。でも、今回のように、学びの場では、あえてそれた話をするのは、視野を広げたり固定観念を打ち砕くには、良い方法かなあとも思いました。その過程で、話が広がってくると、お堅い会議ではなく、充実したコミュニケーションになりました。

あとは、単純ですが、飲み物や食べ物を買ってきて、みんなでシェアすると、なんだかほのぼのとあたたかい気持ちになります。それから、「同じ釜の飯を食う」じゃないですが、最後の4日間は毎日みんなで同じデリバリーの夕食を食べました。こういうのが意外とチームの結束を深めたりします。

2)チームメートの個性

チームメートそれぞれが強烈な個性を持っています。この個性たちとどう付き合うか。どう個性を生かして、全体の生産性を高めるか。これが一番苦労しました。3時間くらい同じことを議論しても、結局先に進めず、袋小路になってしまうこともありました。(ただ、不思議なことに雰囲気は悪くならないのです。。)

スライドを紙に貼って議論

リーダーのいないチームなので、トップダウンですすめることはできません。なので、こういった行き場を失った議論には毎回悩まされ、うやむやにして次に進めてしまいました。

3)共有することの満足

最後に、仲間と苦しみや喜びを分かち合うのってチームワークの醍醐味なんだなあと感じました。これは、終わった時に気付きました。レポートとプレゼンテーションが無事終了した日の夜、寝る前に、明日からチームメートに会えないのかーと寂しさを感じたのです。

仕事を独りで行うのは、ある意味楽です。自分でなんでも調整できるし、上記のような他人の個性に振り回されることもありません。でも、最後の満足を考えると、チームでの達成感というのは、個人のそれを何十倍も上回ります。

ということで、Team Dynamicsについて想ったことを書いてみました。来年も同じチームでプロジェクトをやるにあたり、上記3点について、より考えを深めていきたいと思います。


林に積もる雪

最近、毎日のように雪が降っています。でも、昨日は冬至。今日からまた日が少しずつ長くなるのかあと思うと、ちょっとうきうきします。

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